梅雨に増える皮膚トラブル

かゆみ・あせも・水虫・マスク荒れを防ぐ、肌との上手な付き合い方

こんにちは。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックです。

雨の日が続き、湿度も気分も少し重たく感じやすい梅雨の季節。
実はこの時期、「皮膚のかゆみ」「赤いぶつぶつ」「足の指の間の皮むけ」「マスクの下のニキビ」など、肌の不調を訴える方が増えてきます。

梅雨の肌トラブルの背景にあるのは、雨そのものではありません。
汗・湿気・蒸れ・摩擦・衣類やマスクの刺激が重なり、皮膚のバリア機能が乱れやすくなることが大きな理由です。

「夏になれば治るかな」と様子を見るうちに悪化することもあります。
梅雨のうちから、肌を“清潔に、でも洗いすぎず、こすらず整える”ことが大切です。☔

梅雨に増えやすい皮膚トラブル

1.首・わき・背中の赤いぶつぶつ

あせも・汗による湿疹

汗をかいたあと、首まわり、わきの下、ひじ・ひざの内側、背中、下着が当たる場所などに、赤い細かなぶつぶつやかゆみが出ていませんか?

これは、いわゆる「あせも(汗疹)」や、汗・蒸れ・摩擦をきっかけにした湿疹の可能性があります。

汗疹は、汗の通り道が詰まり、汗が皮膚の中にたまることで起こります。かゆみが強いと掻き壊してしまい、湿疹化したり、細菌感染を伴ったりすることもあります。特に高温多湿の環境では起こりやすいため、梅雨から夏にかけて注意が必要です。

2.もともとの乾燥肌・アトピー性皮膚炎の悪化

「湿度が高いのだから、乾燥肌は良くなりそう」と思われるかもしれません。
ところが実際には、汗そのものの刺激、衣類との擦れ、冷房による乾燥、入浴時の洗いすぎなどが重なり、かゆみや湿疹が悪化する方も少なくありません。

特に、汗をかいたまま長時間過ごすこと、かゆい部分をナイロンタオルなどで強く洗うこと、何度もボディソープを使うことは、皮膚のバリアをさらに乱す原因になります。

梅雨の肌ケアは、「汗を放置しない」ことと「洗いすぎない」ことの両立がポイントです。

3.足の指の間が白くふやける・皮がむける

水虫(足白癬)

梅雨に特に増えやすいのが、足の蒸れに関係する皮膚トラブルです。

足の指の間が白くふやける、皮がむける、ジュクジュクする、小さな水ぶくれができる、足裏がかさつく――このような症状がある場合、水虫(足白癬)の可能性があります。

水虫は「かゆい病気」という印象が強いですが、かゆみがほとんどないケースもあります。 足の指の間が白くふやけるタイプや、足裏の角質が厚くなるタイプなど、症状はさまざまです。

また、長時間同じ靴を履き続けること、濡れた靴や靴下をそのままにすることは、足の蒸れや摩擦につながります。靴をローテーションし、しっかり乾燥させることも大切です。

4.股・わき・胸の下などが赤くただれる

蒸れやすい場所の湿疹・真菌症

皮膚と皮膚が触れ合う場所、下着や衣類で密閉される場所は、梅雨にトラブルが起こりやすい部分です。

股、わきの下、胸の下、お腹のしわ、太ももの付け根などに、

  • 赤みが続く
  • ヒリヒリ・痛みがある
  • じゅくじゅくする
  • かゆみが強い
  • 周囲に広がってくる

といった症状がある場合、湿疹だけでなく、カンジダ症や白癬などの真菌感染症も考える必要があります。

見た目だけでは湿疹と真菌症の区別が難しいことがあります。特に円形・輪のように広がる発疹や、股の強いかゆみがある場合は、自己判断でステロイド外用薬だけを続けるのではなく、皮膚科で確認することが重要です。白癬にステロイド外用薬を使うことで悪化する場合があることも知られています。

5.マスクの下のニキビ・赤み・かぶれ

梅雨はマスクの内側も蒸れやすくなります。
呼気、汗、皮脂、摩擦が重なることで、口まわり・あご・頬にニキビや赤み、かゆみが出やすくなります。

マスクは摩擦による刺激に加え、内部の蒸れによって毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの悪化につながることがあります。

「マスクをしているから保湿は必要ない」と思いがちですが、強い洗顔やアルコール製品の使いすぎで肌が荒れると、かえって赤みやニキビが目立つこともあります。

梅雨の肌を守る5つの習慣

1.汗をかいたら、やさしく流す・拭く

汗をかいた後は、可能ならぬるめのシャワーで軽く流しましょう。
外出先では、やわらかいタオルや清潔なガーゼで押さえるように汗を取るのがおすすめです。

ゴシゴシこすることは、皮膚にとって大きな刺激になります。

2.洗いすぎない

ベタつきが気になると、何度もボディソープで洗いたくなります。
しかし、洗いすぎは皮脂や角質を取りすぎてしまい、乾燥・かゆみ・湿疹の原因になります。

ボディソープは必要な場所に適量を使い、手ややわらかい泡でやさしく洗いましょう。
ナイロンタオルや硬いボディブラシでの強い摩擦は、この時期こそ控えめに。

3.乾かす場所と、保湿する場所を分ける

梅雨のスキンケアでは、全身を同じように扱わないことが大切です。

  • 首、顔、腕、すねなど乾燥しやすい場所
    → 入浴後に保湿剤を使う
  • 足の指の間、わき、股、皮膚の重なる場所
    → 水分を残さず、やさしく乾かす

“ベタつくから保湿ゼロ”ではなく、部位ごとに整える意識が、肌の安定につながります。

4.衣類・靴・マスクを「蒸れたまま」にしない

汗をかいた服や靴下、湿ったマスクを長時間そのまま使うことは、皮膚にとって負担になります。

  • 通気性のよい衣類を選ぶ
  • 汗をかいたらインナーや靴下を替える
  • 靴は毎日同じものを履き続けず、乾燥させる
  • マスクが湿ったら、必要に応じて交換する

小さな習慣ですが、梅雨の皮膚トラブル予防にはとても大切です。👟

5.「いつもの湿疹」と決めつけない

梅雨の皮膚トラブルは、湿疹、水虫、カンジダ症、接触皮膚炎、ニキビなどが似た見た目になることがあります。

特に、

  • 足の指の間が白くふやけている
  • 足裏の皮むけが続く
  • 股や体に輪のような発疹が広がる
  • 市販薬を使っても改善しない
  • ステロイドを塗るとむしろ広がる
  • 痛み、膿、黄色いかさぶたがある

という場合は、早めに皮膚科へご相談ください。

「かゆみ止めを塗って様子を見る」だけではなく、必要に応じて真菌検査などで原因を確かめることが、適切な治療への近道です。

梅雨の肌は、“清潔”より“整える”が大切です

梅雨の肌ケアで目指したいのは、洗いすぎて無菌にすることではありません。

汗や汚れはきちんと落とす。
でも、こすらない。
蒸れやすい場所は乾かす。
乾燥しやすい場所は保湿する。
そして、治らない発疹は自己判断で長引かせない。

少しの工夫で、梅雨の不快なかゆみや肌荒れは予防しやすくなります。
雨の日も、肌が少しでも心地よく過ごせるように整えていきましょう。☔✨

受診をおすすめする症状

痛みが強い、急に広がる、膿が出る、発熱を伴う、顔や目の周囲に症状が出た、呼吸苦や全身のじんましんを伴う場合は、早めの受診が必要です。

また、乳幼児、高齢の方、糖尿病や免疫に関わる病気のある方、治療中の皮膚疾患がある方は、自己判断せずご相談ください。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞