クリニックだより

当院は内科・皮膚科ともに専門性が高く、診療の質を低下させないために、オンライン診療をしておりません

人はひよわいからこそ、寄り添って生きることができます

2017年7月18日に105歳と9か月で亡くなられた聖路加国際病院名誉院長、日野原重明先生
医師としての立場・医療という領域を超え、いのちの大切さ、平和の尊さを、特に次代を担う子どもたちに向けて各地の小学校で「いのちの授業」を展開し、多くの人々からの支持を得ています。
2001年12月に出版した『生きかた上手』は、120万部以上の売り上げを記録するミリオンセラーととなりました。
その中の一部抜粋をご紹介します。

医療の原点は手当て、そのぬくもり

患者さんのからだに手でふれてみる。

手のひらから患者さんの体の声を聴き、眼差しや接する姿勢でこちらの思いを伝える。

ことばは言うに及ばず、五感をフルに使う。

これが医療者に求められるコミュニケーションだと思っています。

単なる情報伝達であっていいはずがありません。

・・・中略・・・

医療の原点は、この「手当て」にあります。

コミュニケーションの力の源をここに感じずにはおれません。

私が尊敬する医師ウィリアム・オスラーは、

「医学はサイエンスに支えられたアートである」

と言いました。

サイエンスは科学と訳せるでしょう。

一方、アートとは技、つまり一人ひとりの患者さんにどのようにアプローチするか、タッチするかということです。

サイエンスが病そのものを客観的かつ冷静に見つめるに対して、アートは患者さんの心に繊細な感性でふれようとするものです。

サイエンスとしての医学がたとえお手上げとなっても、アートの部分は生の最後の瞬間までかぎりなく提供し続けることができます。

本来この2つの側面をあわせもつべき医療が、現代ではテクノロジー本位に陥りがちであることは否めません。

患者さんにどのようにタッチするか、その人生観や経験に裏打ちされた、患者さんの「いま」の思いをいかに聞き出し、どのように重んじるか。

臨床の医師や看護師には、そうした心に迫るコミュニケーションが欠かせないと、私は長年にわたって強調してきました。

発売日: 2001年12月
著者/編集: 日野原 重明
出版社: ユーリーグ
発行形態: 単行本

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