食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)について知っておくべきこと
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)は、ある特定の食物を摂取した後、運動をすることにより引き起こされる重篤なアレルギー反応です。
この病気は、単に食物アレルギーがあるだけでなく、その食物を摂取後に物理的な活動を行うことで、アナフィラキシーという緊急を要する状態に至ることが特徴です。
症状について
FDEIAの症状は、運動を始めてから30分以内に多くの場合で発生します。
症状は多岐にわたりますが、主に以下のようなものがあります:
- 皮膚症状:じんましん、赤み、強いかゆみ
- 呼吸器症状:せき、呼吸困難、喘鳴
- 消化器症状:腹痛、悪心、嘔吐、下痢
- 循環器症状:めまいやふらつき、血圧の低下、最悪の場合は意識消失に至ることもあります。
原因について
FDEIAの原因は、食物によるアレルギー反応と運動による体の反応が重なることにより引き起こされます。
特定の食物を摂取後、通常は無害なアレルゲンが運動によって血流が増加し、全身に急速に広がることで、アナフィラキシーを引き起こす可能性があります。
原因となる食物
FDEIAを引き起こす食物は人によって異なりますが、特に報告が多いのは小麦、甲殻類、果物です。他にも乳製品、卵、大豆、ナッツ類などが挙げられます。
診断と治療
FDEIAの診断は、患者の症状の記録、食物と運動の詳細な履歴、血液検査、場合によっては特定の食物と運動を組み合わせた負荷試験を行うことで確定します。
治療には、まず原因となる食物の摂取を避けることが基本です。
もし誤って摂取してしまった場合には、迅速にエピネフリン(エピペン)を自己注射し、直ちに医療機関での診察を受けることが重要です。
予防策
- 食物の回避:原因となる食物を特定し、それを避ける。
- 運動の管理:食事後の運動は計画的に行い、運動前後の体調をよく観察する。
- 教育と準備:自己注射器(エピペン)の携帯を常に心がけ、使い方を熟知しておく。
FDEIAは、命に関わる重篤な状態に至る可能性があるため、自身や家族が該当する症状が見られた場合は、速やかに専門の医療機関で相談し、適切な対応をとることが求められます。