牛肉・豚肉アレルギーのすべて
牛肉と豚肉アレルギーは、主に体内でα-Gal(アルファ-ガラクトース)という糖鎖に対するアレルギー反応によって引き起こされます。
この糖鎖は、牛肉や豚肉、さらにはマダニにも存在します。
霊長類や鳥類、魚類にはα-Galが存在しないため、これらの食物によるアレルギー反応は稀です。
症状
牛肉・豚肉アレルギーの症状には個人差がありますが、以下のような反応が一般的です。
- 消化器症状: 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
- 皮膚症状: 蕁麻疹、発疹、かゆみ
- 呼吸器症状: 鼻水、くしゃみ、喉のかゆみ、呼吸困難
- 重症例: アナフィラキシーショック
原因
牛肉・豚肉アレルギーの主な原因は二つあります。
- α-Gal感作: マダニの刺傷を通じてα-Galに対する抗体が形成されることがあり、その後、牛肉や豚肉を食べるとアレルギー反応が生じることがあります。
- 食物アレルギー: 牛肉や豚肉自体のタンパク質に対する直接的なアレルギー反応。
血液型との関係
血液型によってもアレルギーの発症傾向が異なることが指摘されています。
特に、B型およびAB型の人々はA型やO型に比べて牛肉・豚肉アレルギーになりにくいとされています。
これは、B型及びAB型の血液にα-Galに似た糖鎖が存在するためです。
診断
牛肉・豚肉アレルギーの診断は通常、血液検査によって行われます。
血液検査ではα-Galに対する特異的IgE抗体の量を測定します。
治療
治療の基本は、アレルギー反応を引き起こす牛肉や豚肉の摂取を避けることです。
軽度の症状の場合は、抗ヒスタミン薬やステロイド薬で症状を管理することができます。
重症の場合はエピペンなどの緊急治療薬を携帯することが推奨されます。
さいごに
近年、牛肉・豚肉アレルギーは増加傾向にあります。
これは、マダニの生息地域が広がっていることや、牛肉や豚肉を使った食品が増えていることが原因と考えられています。
牛肉・豚肉アレルギーについて、何か心配なことがあれば、医師に相談してください。