腸内細菌が喜ぶ食べ物「まごはやさしいわ」とは?手軽な腸活で健康に
こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
最近、書店やテレビ、SNSなどで「腸活」という言葉を見かける機会が増えました。
腸内環境を整える食品が数多く紹介され、人気の腸活ドリンクやサプリメントも次々に登場しています。
それほど私たちの生活の中に「腸活」は深く浸透してきています。
では、いったい腸活とはどのようなものなのでしょうか。
簡単にいうと、
実は腸には、体全体の約6割もの免疫細胞が存在するといわれています。
また、「幸せホルモン」として知られるセロトニンの大部分は腸で生産されており、腸内環境が乱れると体調不良だけでなく気分の落ち込みなど精神面にも大きく影響します。
ではどんな食事をすれば腸内環境を整えられるのでしょうか。
ここで登場するのが、腸内細菌が喜ぶ食べ物の合言葉「まごはやさしいわ」です。
「まごはやさしいわ」の8つの食材
1. 「ま」豆類
豆類は、良質なタンパク質や食物繊維が豊富に含まれています。
大豆製品(豆腐・納豆・味噌など)は腸内環境を整える発酵食品でもあるため、積極的に取り入れたい食材です。
簡単レシピ例
納豆にオクラやキムチを混ぜれば、善玉菌と食物繊維を同時に補給できます。豆腐なら冷奴に薬味をのせてサッと食べられるのも嬉しいポイント
2. 「ご」ごま製品
ごまにはセサミンやビタミンEなどの抗酸化物質が豊富で、アンチエイジングや美肌効果が期待できます。さらにカルシウムが多く含まれているため、骨や歯の健康維持にも役立ちます。
簡単レシピ例
ごまドレッシングをサラダにかけたり、すりごまを味噌汁や和え物に加えたりするだけで、風味もアップして続けやすいです
3. 「は」発酵食品
発酵食品には、乳酸菌や麹菌、納豆菌など豊富な善玉菌が含まれています。腸内で善玉菌を増やし、消化を助けることに加え、抗炎症作用や免疫力アップにも役立ちます。
簡単レシピ例
味噌汁や塩麹で漬けた肉・魚などを調理すると、手軽に発酵食品を取り入れられます。キムチやヨーグルト、甘酒などもおすすめです
4. 「や」野菜類
緑黄色野菜や淡色野菜には、それぞれ異なるビタミン・ミネラル・抗酸化成分が多く含まれており、免疫システムをサポートしてくれます。食物繊維も豊富なので、便通の改善にも期待できます。
簡単レシピ例
彩り豊かなサラダやミネストローネなどのスープなら、複数の野菜を一度にたくさん摂れるのでおすすめです
5. 「さ」さかな類
青魚(サバ、イワシ、サンマなど)に豊富なEPAやDHAは、血管や脳の健康を支える大切な脂肪酸です。これらは動脈硬化を防ぎ、精神面でも良い影響をもたらすとされています。
簡単レシピ例
焼き魚が定番ですが、缶詰のサバやイワシを使って、野菜と一緒に煮込むスープやカレーにするのも手軽で栄養満点です。
6. 「し」椎茸類
きのこ類には食物繊維が豊富に含まれ、特に椎茸はうま味成分(グアニル酸)もたっぷり。カロリーが低めなうえにかさ増しにもなるため、食べごたえが欲しいときにも重宝します。
簡単レシピ例
きのこをたっぷり入れた味噌汁やスープ、炒め物などにすると、食物繊維がしっかり摂れて満腹感が得られます
7. 「い」いも類
いも類は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれているため、便秘対策やミネラルの吸収サポートにも最適です。山芋や長芋のネバネバ成分には、肝臓や腎臓の機能を高めるといわれる成分も含まれています。
簡単レシピ例
さつまいもをふかしておやつにしたり、じゃがいもをスープやシチューに加えたりすると、腹持ちも良く、手軽に栄養を摂ることができます
8. 「わ」わかめ類
わかめなどの海藻類は、ミネラル・ビタミンが豊富です。ホルモンの材料になるヨウ素や抗酸化成分のフコキサンチンなども含まれ、腸内のバランスをサポートしながら全身の健康にも寄与します。
簡単レシピ例
わかめスープや酢の物、味噌汁に入れるなど、普段の食事に一品加えるだけで手軽に摂取できます
腸内環境と病気の関係
腸内環境が乱れると便秘や下痢といった不調だけでなく、大腸がんや炎症性腸疾患、アレルギー疾患、さらにはうつ病とも関連があることが指摘されています。
腸には多くの免疫細胞が存在し、心の安定に関わる神経伝達物質も作られているため、腸の状態が悪くなると全身に影響が及びやすいのです。
個人の体質に合わせた腸活のコツ
- 便秘がちの方: 特に水溶性食物繊維(いも類、海藻、果物など)を増やし、毎日適度な水分を摂るようにしましょう。
- 忙しい方・外食が多い方: コンビニでも納豆やサラダ、海藻類などは手に入りやすいです。缶詰の魚や味噌汁のインスタントなど、少し工夫するだけでも腸活を取り入れられます。
アレルギー体質の方: 発酵食品や海藻類、きのこ類などで免疫バランスを整えながら、食材選びには注意して、自己判断で無理をせず必要に応じて医師に相談を。
まとめ
毎日の食事に「まごはやさしいわ」の食材をバランスよく取り入れるだけで、腸内細菌が喜ぶ環境づくりが可能です。
腸内環境は、私たちが思っている以上に健康と深く結びついています。
ぜひ、今回ご紹介した食材や簡単なレシピを参考にして、手軽に腸活を始めてみてくださいね。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
院長 山口 裕礼
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