忙しい日々の中で見直せる睡眠習慣:体からのメッセージに気づく
体からのメッセージに気づく
こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
今回は、睡眠不足が体に与える影響と、忙しい日々の中でどのように工夫できるかをお話しします。
私の大事な患者さん
とある患者様が、治療を続けてもなかなか改善しない症状に悩んでいらっしゃいました。
現在、お仕事がとても忙しく、毎日の睡眠時間は4~5時間程度。
学生時代には「寝るのが好きだった」とおっしゃっていましたが、今はそれもままならない生活を送られています。
この患者様の症状を考えると、忙しい生活の中で見逃されがちな「体からのメッセージ」が隠れている可能性があります。
治療効果が思うように出ないとき、睡眠不足や生活習慣が症状を長引かせる要因となることがあります。
睡眠不足が招く症状と健康リスク
睡眠時間が短いと、体と心にさまざまな影響を及ぼすことが知られています。
- 疲労感や集中力の低下
睡眠中に行われる脳の回復が不十分となり、注意力や判断力が落ちることがあります。 - 免疫力の低下
風邪や感染症にかかりやすくなるだけでなく、慢性的な炎症が悪化する可能性もあります。 - ホルモンバランスの乱れ
睡眠不足が続くとストレスホルモン(コルチゾール)が増加し、さらに症状が悪化する原因になります。 - 生活習慣病のリスク増加
睡眠不足は高血圧、糖尿病、肥満など、さまざまな病気のリスクを高めます。
忙しい中でもできる睡眠の工夫
患者様のように「たくさん寝るのは難しい」と感じる方でも、少しの工夫で睡眠の質を高めることができます。
- 時間が短くても「深い眠り」を目指す
就寝前のリラックスルーチンを取り入れましょう。温かいお風呂に入る、軽いストレッチや深呼吸を行う、リラックスできる音楽を聴くなど、心を落ち着ける習慣を作ることで深い眠りにつながります。また、寝室の環境を整えることも重要です。遮光カーテンを使い部屋を暗くする、快適な温度を保つ、寝具を見直すなど、小さな工夫が大きな効果を生みます。 - 隙間時間を有効活用する
お昼休みや仕事の合間に5~15分程度目を閉じるだけでも、脳の疲労が軽減されます。また、電車やバスでの移動時間を活用して短時間の仮眠を取るのもおすすめです。 - 食事や生活習慣を工夫する
忙しいときほど、睡眠を助ける栄養素(マグネシウムやトリプトファン)を含む食品を摂ることを意識しましょう。バナナ、ナッツ類、ヨーグルトなどは簡単に取り入れられます。また、午後のカフェイン摂取を控えることで、夜の寝つきを良くします。
「できること」から始めましょう
患者様の症状は、おそらく「体が休息を求めている」というサインです。
学生時代のようにたっぷり眠る時間は取れないかもしれませんが、今の生活の中でできる範囲で改善していくことが大切です。
かかりつの患者さんにおいて当クリニックでは、睡眠や生活習慣についても一緒に考えていきます。
つらい症状が続いてお困りの方は、どうぞ気軽にご相談ください。私たちが少しでも症状を改善できるようにサポートいたします。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼
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