減塩ブームの落とし穴:本当に健康的な食事とは?

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

最近、「減塩」が健康のキーワードになっています。

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塩分の摂りすぎが高血圧や腎臓病のリスクを高めることは確かですが、「何でもかんでも減塩すれば健康になれる」という考え方には、注意が必要です。

実は、日本には昔から素晴らしい発酵食品の文化があり、味噌や漬物といった食品には、単なる「塩分以上の価値」があります。

今回は、減塩を考える上で見落としがちなポイントについて、食パン+ハムの洋食と、ごはん+味噌汁+漬物の和食を比較しながら、客観的にお話ししていきます。

和食 vs. 洋食:塩分と健康の視点で比較

多くの人が「減塩=和食を控える」ことだと考えがちですが、実際にはどうでしょうか?

塩分量の比較(1食あたり)

食事内容塩分量(g)
食パン+ハム+コーヒー約3.5g
ごはん+味噌汁+漬物約3.8g

このように、意外にも塩分量自体は大きく変わりません。

しかし、塩分の「種類」や「影響」は異なります。

発酵食品のメリット

味噌や漬物には、単なる塩分だけでなく、発酵によって生まれる 酵素や乳酸菌 が含まれています。

素晴らしき発酵食品

  • 腸内環境を整える → 免疫力アップ・便秘解消
  • 発酵の過程で生まれるアミノ酸 → うま味と栄養価の向上
  • 代謝をサポート → 身体のエネルギー産生に貢献

一方、食パン+ハムのような洋食は、塩分以外に 食品添加物や加工食品の影響 を受けやすい食事とも言えます。

洋食に潜む塩分と添加物

ハムやベーコンなどの加工肉には、塩分以外にも リン酸塩や亜硝酸塩 などの食品添加物が多く含まれています。

食品添加物の影響

  • リン酸塩 → カルシウムの吸収を妨げ、骨粗しょう症のリスクを高める
  • 亜硝酸塩 → 発がん性が指摘されている

食パンにも、ふんわり感を出すために 膨張剤砂糖 が多く使われていることが多く、血糖値の急上昇を招く要因になります。

結局、どちらの食事が健康的なのか?

ここで大切なのは、「単純に塩分量だけで食事を決めるのではなく、トータルで考えること」です。

結論

減塩を意識しすぎて発酵食品を避けるのはもったいない!

和食をうまく取り入れる方が、栄養バランスが良く健康的!

加工食品(ハム・食パンなど)は塩分以外のリスクにも注意!

もし塩分が気になる場合は、以下のような工夫をすることで、健康的な和食を楽しめます。

無理なく健康的な食事にする工夫

1. 味噌汁を薄める or 具材を増やす

味噌汁の味噌の量を減らすのではなく、

  • 野菜や豆腐を多めに入れる
  • だしをしっかりとる(塩分を控えても満足感アップ)

2. 漬物の種類を選ぶ

市販の漬物は塩分が多いものもあるので、

  • ぬか漬け(乳酸菌が豊富)
  • 自家製漬物(塩分控えめに調整可能) を選ぶのがおすすめ。

3. パンを選ぶなら全粒粉やライ麦パンを

もし洋食を食べるなら、食パンよりも

  • 全粒粉パン(食物繊維・ミネラルが豊富)
  • ライ麦パン(血糖値の上昇を抑える) を選ぶとよいでしょう。

4. ハムやベーコンの代わりに納豆や魚を

ハムの代わりに、

  • 納豆
  • 焼き魚
  • 卵料理 を選ぶと、添加物を減らしながらたんぱく質をしっかり摂れます。

まとめ:減塩は大事だが、食文化も大切

塩分を減らすことは大切ですが、 「何を食べるか」よりも「どう食べるか」が重要 です。

発酵食品(味噌・漬物)の恩恵を受けながら、適量を意識する

加工食品(食パン・ハム)の塩分や添加物に注意する

減塩だけにこだわりすぎず、バランスを考えた食事をする

「健康的な食事=ただ塩分を減らすこと」ではなく、「体に良い食べ物を選び、適量を守ること」だと考えましょう。

今日の食事から、少しずつ意識してみてくださいね。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口 裕礼

日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本喘息学会認定喘息専門医
日本内科学会認定内科医
日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー
日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士

日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。