環境・ストレス・食事が喘息に与える影響 ー 当院が薬以外にも力を入れる理由
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
喘息の治療と聞くと、多くの方が「吸入薬」や「飲み薬」を思い浮かべるかもしれません。
確かに、薬は喘息の症状をコントロールする上で非常に重要です。
当院が、これらの要素にも積極的にアプローチする理由は、喘息の悪化要因として「環境」「ストレス」「食事」が大きく関係しているからです。
図をご覧いただくとわかるように、喘息を悪化させる要因には様々なものがあります。
喘息悪化の一部
📌 環境要因:大気汚染、花粉、カビ、化学物質、アレルゲンなど
📌 ストレス:強い感情変化や心理的ストレスが発作の引き金になることがある
📌 食事:食品添加物やアレルギー反応を起こしやすい食事が影響することも
1. 環境の整備 ー できるだけ喘息を悪化させる要因を減らす
環境の影響は、喘息の患者さんにとって非常に大きな問題です。
特に、
環境要因
✅ 室内のハウスダストやカビ、ダニ
✅ ペットの毛やフケ
✅ 産業スモッグや大気汚染
✅ 香水やアロマなどの強い匂い
こうした環境因子に敏感な方は、適切な対策をとるだけで症状の安定につながることがあります。
例えば、
🔹 空気清浄機を活用し、室内の空気を清潔に保つ
🔹 加湿・除湿を適切に管理し、カビの繁殖を防ぐ
🔹 花粉やPM2.5が多い日は外出時にマスクを着用する
といった工夫が、喘息の発作予防に役立ちます。
2. ストレス管理 ー 自律神経の乱れを防ぐことが発作の予防につながる
強いストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れ、喘息の発作が起こりやすくなります。
例えば、
💨 怒りや悲しみなどの強い感情が発作の引き金になる
💨 仕事や家庭でのストレスが蓄積すると、免疫力が低下し喘息が悪化する
💨 睡眠不足が続くと、気道が敏感になり発作が起こりやすくなる
このため、当院では薬だけに頼るのではなく、ストレスを軽減するための習慣づくりを推奨しています。
ストレス軽減のために
✅ 睡眠の質を向上させる(毎日決まった時間に寝る、寝る前のスマホを控える)
✅ 深呼吸や瞑想を取り入れる(呼吸を整えることで自律神経を安定させる)
✅ リラックスできる時間を持つ(趣味や軽い運動など、ストレスをため込まない工夫)
3. 食事の改善 ー 食生活を整えることで発作を減らす
喘息の悪化要因として、食事の影響も無視できません。
喘息に影響を及ぼす食事
❌ 食品添加物が多く含まれる加工食品
❌ 脂質の多い食事(ファストフード、揚げ物など)
❌ 乳製品や小麦など、一部の人にとってアレルギー反応を起こしやすい食品
こうした食べ物が喘息の症状を悪化させることがあります。
一方で、喘息の改善に役立つ栄養素を意識した食事をとることで、気道の炎症を抑えやすくなります。
✅ 抗酸化作用のある食材(緑黄色野菜・フルーツ・ナッツ類)
✅ オメガ3脂肪酸を含む食品(青魚・亜麻仁油・くるみ)
✅ 腸内環境を整える発酵食品(ヨーグルト・納豆・ぬか漬け)
これらをバランスよく摂取することで、免疫のバランスが整い、喘息の発作が起こりにくくなる可能性があります。
当院の取り組み ー 薬だけでなく、環境・ストレス・食事を重視
これらの要素を踏まえ、当院では薬だけに頼らず、患者さんの生活習慣の改善にも積極的に関わる方針をとっています。
今後、力を入れたい当院の取り組み
🟢 環境改善に役立つアドバイス(空気の管理、アレルゲン対策など)
🟢 ストレスマネジメントの提案(自律神経の整え方、リラクゼーション習慣など)
🟢 食事指導のサポート(栄養バランスの取り方、喘息に良い食品の情報提供など)
といった形で、総合的に患者さんの健康をサポートしていきたいと思います。
一緒に「より良い健康」を目指しましょう
喘息は、一度発症すると長く付き合う必要のある病気です。
ですが、「薬だけに頼る」のではなく、「生活全体を見直す」ことで、症状の安定や発作の予防が期待できます。
当院は、患者さんと一緒に考えながら、より良い健康状態を目指していくクリニックであり続けたいと思っています。
一緒に、少しずつできることから始めてみませんか?
これからも、皆さんの健康を全力でサポートしていきます!
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