エストロゲンの過剰が引き起こす? イライラ・怒りっぽさの原因と対策

近年注目されるホルモンバランスの乱れ
(参考:『いつでも調子がいいカラダになる! ホルモンをととのえる本』ダヴィニア・テイラー (著))

「最近、些細なことでイライラする」
「以前より怒りっぽくなった気がする」
—— そんな症状に悩んでいませんか?
これらの感情の変化には、ホルモンバランス、特に エストロゲンの過剰 が関係している可能性があります。
これまで「怒りっぽさ」は男性ホルモンの テストステロン に関連すると考えられてきました。
しかし、実は 過剰なエストロゲン も感情の起伏に大きく影響を与えるのです。
エストロゲンが増えすぎるとどうなる?
エストロゲンは「女性ホルモン」として知られていますが、男性にも少量ながら分泌されています。
通常、エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)がバランスを取ることで、女性の心身の健康が保たれています。
しかし、何らかの原因でエストロゲンが優位になりすぎると、次のような症状が現れることがあります。
- 感情のコントロールが難しくなる(イライラ・怒りっぽい)
- 不安感の増大
- 頭痛や肩こりがひどくなる
- むくみやすくなる
- 生理不順やPMS(月経前症候群)の悪化
特にストレスが溜まっている状態では、エストロゲンの代謝がスムーズに行われず、さらに悪循環に陥ることがあります。
エストロゲン優位の原因とは?
エストロゲンが過剰になる要因はいくつか考えられます。
1. 肝機能の低下
エストロゲンの代謝には 肝臓 が重要な役割を果たします。
肝機能が低下すると、エストロゲンの分解・排出がスムーズにいかず、体内に蓄積しやすくなります。
2. 体重増加
脂肪細胞はエストロゲンを生成するため、体脂肪が増えるとホルモンバランスが崩れやすくなります。
3. ストレス
ストレスが長期間続くと、体は コルチゾール というホルモンを多く分泌します。
この影響で アロマターゼ という酵素が活性化し、テストステロンがエストロゲンに変換されやすくなります。
4. 環境ホルモン(エストロゲン様物質)
プラスチック製品、化粧品、防腐剤などには エストロゲン様の作用 を持つ化学物質が含まれていることがあります。
これらが体内に取り込まれることで、ホルモンバランスが乱れることも。
エストロゲンのデトックス方法
エストロゲン優位を改善するには、 体外へ排出する(デトックス) ことが重要です。
以下の方法を試してみましょう。
1. 肝臓をサポートする食事
- ブロッコリー・キャベツ・ケール
(アブラナ科の野菜)
- 発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルト)
- 抗酸化作用の高い食品(緑茶・ブルーベリー)
2. 腸内環境を整える
エストロゲンの排出は 腸内環境 にも左右されます。食物繊維をしっかり摂り、便秘を防ぐことが大切です。
- 食物繊維が豊富な食品(玄米・オートミール・キノコ類)
- 水分補給をしっかりと(1.5L〜2L/日)
3. 適度な運動
運動はストレス解消だけでなく、エストロゲンの適切な代謝を促します。
特に 有酸素運動(ウォーキング・ヨガ) がおすすめです。
4. 環境ホルモンを避ける
- プラスチック容器の電子レンジ加熱を避ける
- 無添加の化粧品・シャンプーを選ぶ
自分に合う改善策を見つけよう
ホルモンバランスの乱れは 個人差 が大きいため、万人に共通する解決策はありません。
「イライラしやすい時期」「ストレスが溜まりやすい状況」を記録し、自分の体の傾向を把握することも大切です。
ホルモン補充療法(HRT)などの治療を考える前に、まずは 生活習慣の見直し から始めてみましょう。
まとめ
エストロゲンの過剰 はイライラや怒りっぽさの原因になる
肝機能低下・体重増加・ストレスなどが影響
デトックスを意識した食事・運動・生活習慣が大切
自分の体の変化を記録し、最適な対策を見つける
気になる症状が続く場合は、 婦人科系の専門医に相談することも選択肢 です。
ホルモンバランスを整えて、毎日を快適に過ごしましょう!
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
- 山口裕礼
- 日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本喘息学会認定喘息専門医
日本内科学会認定内科医
日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士
内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー
日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士
管理健康栄養インストラクター
日本温活協会認定温活士
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ
ローズソムリエ®(バラ資格)


投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
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