🌱医学とは、人が人にふれる学問。~横浜市医師会聖灯看護専門学校での講義より~
こんにちは😊
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
今日は、講師として伺っている
横浜市医師会聖灯看護専門学校での授業日でした🧑🏫

未来の看護師たちに向けて、
呼吸器の基本はもちろんのこと、
もっと大切な「人と人との関わり」についてお話ししてきました。
🧠学んでほしいことは「知識」よりも「人間観」
今日の講義のテーマのひとつは、
「アドラー心理学」×「遠藤周作の医療観」でした。
医療は、ただの技術や処方の羅列ではありません。
そこにいるのは“心をもった人間”です。
🪷遠藤周作が描いた「心のある病院」
作家・遠藤周作は、こんな夢を語りました。
ささやかな夢。
心の暖かな病院がほしいなあ。
彼の言葉には、医療現場に必要な“心の温度”が込められています。
- 病院は肉体を治すだけでなく、心の慰めも必要ではないでしょうか。
- 医師や看護師にとって当たり前のことでも、初めての患者には大きな不安なのです。
- 小さな一言、小さな無神経が、病気と闘う人には深く突き刺さることもあります。
📍医療とは、人間が人間と交流する学問ではないでしょうか?
この言葉を、今日の学生たちにそのまま届けました。
💬アドラー心理学から学ぶ「対人関係」と「患者理解」
アドラー心理学は、今を生きる私たちにこんな気づきを与えてくれます👇
🔹すべての悩みは「対人関係の悩み」
- 劣等感は、他者と比べるから生まれる。
- 「理想の自分」との比較こそが健全な向き合い方。
🔹人は「同じではないけど、対等」
- 人と比べなくていい。
- いまの自分より一歩前に進もうとすることに、価値がある。
🔹人を責める構図から抜け出そう
- 「悪いあの人」vs「かわいそうな私」から
- 「じゃあ、これから自分はどうするか」へ。
🔹面罵されたときの対処
- 相手が“勝ちたい”という「目的」で動いていると見抜く。
- 権力争いに巻き込まれないことが大切。
🌱病院は「心に触れる場所」であってほしい

患者さんが最も求めているのは、
「話を聴いてくれる人」「気持ちに寄り添ってくれる空間」かもしれません。
それは、高度な医療機器でも、高層ビルでもないのです。
✔️ 小さな気づかい
✔️ あたたかい言葉
✔️ 静かな共感
こうした“目に見えない医療”が、
病に向き合う心を強くしてくれるのだと思います。
📣未来の看護師たちへ、そして医療に携わるすべての人へ
医療者として、技術や知識だけでなく
「自分の人間観」を磨いていくことが、とても大切です。
患者さんの前で
「この人は仲間だ」と思えるか。
「この人の苦しみをわかりたい」と思えるか。
医療の根っこは、そこにあると思っています。
📝さいごに

遠藤周作の願った「心ある病院」
アドラーが語る「他者との共感と成長」
その両方を大切にしながら、
医療の現場が、もっとやさしく、あたたかくなっていくことを願っています🌿
そして私もまた、日々の診療で、
その“やさしさの灯”を絶やさぬようにしていきたいと思います🕯️
📍この内容が、日本中の看護学生、そしてすべての医療者に届きますように。
投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)