🌀「肌荒れ・アトピーと喘息がいっしょに悪化する理由」

👉 バリア機能・Th2型炎症・皮膚-肺連関(skin-lung axis)
🤔「最近、肌も咳もつらい…」それ、偶然ではないかもしれません
「アトピーが悪化してきたな…と思っていたら、咳まで出るように」
「肌がボロボロになってきた時期と、喘息の発作が重なる気がする」
実はこうしたご相談、とても多いのです。
それもそのはず。
👉 肌と肺は、実は“同じ炎症グループ”でつながっているからなんです。
🔬ポイント①:肌も肺も「バリア臓器」
皮膚と肺に共通するのは、
🛡️ 外からの異物をブロックする「バリア機能」があること。
- 肌:紫外線、花粉、ウイルス、化学物質などから体を守る
- 肺:空気と一緒に入ってくるホコリやウイルスをフィルターする
でも、このバリアが弱まっているときは、
🚨外の刺激が入り放題 → 炎症が悪化しやすくなります。
🔥ポイント②:共通の「Th2型炎症」が関係
アトピー性皮膚炎と喘息に共通するのが、
「Th2型(ティーエイチツーがた)炎症」という免疫の過剰反応です。
このTh2型炎症では、
- IgE抗体が増加
- 好酸球(炎症細胞)が活性化
- IL-4、IL-5、IL-13などの炎症性サイトカインが上昇
つまり、肌で起きている炎症と、肺で起きている炎症は“同じタイプ”なんです💡
🫁ポイント③:いま注目の「皮膚-肺連関(skin-lung axis)」
最近の研究では、
👉「皮膚と肺が免疫ネットワークでつながっている」
という概念が注目されています。
これを「skin-lung axis(スキン・ラング・アクシス)」と呼びます。
🧬 たとえば…
- 肌の炎症がひどくなると、血液中の炎症物質が増えて → 肺にも影響
- 逆に、喘息の悪化が肌バリアを弱くすることも
つまり、肌と肺は“別々の病気”ではなく、同じ免疫の反乱の現れとも言えるのです。
🌸中高年で再燃するケースも…
子どもの頃にアトピーや喘息があった方が、
「大人になってからまた症状が出てきた」
というのも珍しくありません。
これも、加齢によるバリア機能の低下やストレス、自律神経の乱れが引き金になることがあります。
🏥当院の対応|やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックでは…
当院では、皮膚と呼吸の両面から診療を行っています💡
✅ 皮膚の状態と呼吸の状態を合わせて評価
✅ 喘息治療(吸入薬)とアトピー治療(保湿・外用薬)を並行管理
✅ 好酸球・IgEなど血液検査で“体内の炎症度”をチェック
✅ 必要に応じて生物学的製剤(デュピクセント・ゾレアなど)の導入も検討
✨まとめ:「肌と肺はつながっている」を知っておくと安心
- 肌も肺もバリア臓器であり、同じ“Th2型炎症”でつながっている
- アトピーと喘息は“兄弟のような関係”
- 両方を一緒にケアすることが、根本的な改善につながる鍵
「肌の調子が悪いから、呼吸も悪くなる」
「咳が増えてきたら、アトピーも再燃する」
そんな体のサインを見逃さず、全体のバランスでケアしていきましょう😊💕
投稿者プロフィール

-
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
最新の投稿
クリニックだより2025年6月16日🫁「呼吸器疾患の治療に“抗加齢医学”はどこまで使えるか?」
クリニックだより2025年6月16日🌀「肌荒れ・アトピーと喘息がいっしょに悪化する理由」
クリニックだより2025年6月16日🌬️「閉経後に増える“後発性喘息”とは?」
クリニックだより2025年6月16日🤰「妊娠・出産と喘息|母体と胎児を守る呼吸管理」