クリニックだより

2023 New GSK Web Seminar 4 鎌田 正広 先生 

トータルコントロールを目指した喘息治療の潮流とは

今こそ再考!“サイエンス”としての喘息と“アート”としての喘息

医学におけるサイエンスとアートの重要性

医学では,サイエンスとアートの重要性がしばしば言われます。

医療で言うサイエンスとは,病気を的確に診断し治療するために積み重ねられた膨大な知識や研鑽された技能でしょう。

私たち医療者は,先人が積み上げてきた知恵を無下にしないよう,巨人の肩に乗りながらさらに高みをめざして研鑽してきました。

 一方,患者さんという存在は,サイエンスだけではとらえきれない側面があります。

真っ向から向き合うほどに同じ人はおらず,決して数値やデータのみでは認識することはできないと気付きます。

そして患者さんの心の機微や思いなど「目に見えない存在」を感じ取るのが,アートです。

アートの心を涵養するには,自分がめざしたい診療の在り方を意識して,「いいな」と思える感性や美意識の萌芽を慈しみ,少しずつ,焦らずに大切に育てることが肝要なのではないでしょうか。

知っておきたい、吸入指導のポイント

佐々木 浩昭先生  やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック

喘息における吸入指導はまさにアートの塊であり魂です。

佐々木先生よりアーティスティックな吸入指導を披露頂きました。

さらに今回より画面を2分割する初の試みも行っております。

世の中の多くの喘息講演では吸入指導の内容はほぼありません。

当院が必ず吸入指導の講演を行う理由は喘息治療のおけるアートの側面を重要視しているからです。

実地医療における喘息治療の選択

〜診察室 で見えない症状をいかに顕在化するか〜
鎌田 正広 先生 鎌田クリニック 院長

鎌田先生からはサイエンスからアートまで追求した素晴らしい講演をいただきました。

特に自院での患者さんにおける生のデータの説得力はサイエンスの賜物です。

しかしサイエンスでは解決できない事は「患者さんとの大切な会話であり問診」という重要なアートの側面を強調頂きました。

質疑応答

Webより多くのご質問を頂き、鎌田先生、佐々木先生から丁寧な説明を頂きました。

今こそ再考!“サイエンス”としての喘息と“アート”としての喘息とは?

医学はサイエンスとアートの組み合わせとして捉えられる多面的な領域であり、その理由は以下のように詳細に説明できます。

サイエンスの要素

診断と治療の科学的基盤: 医学は科学的な原則と証拠に基づいて患者の健康を評価し、疾患を診断し、治療法を選択します。

疫学、生化学、遺伝学、生理学などの科学的な分野からの知識は、医学の基本として不可欠です。

医学研究: 医学は常に進化し、新しい治療法や診断法を開発するために研究が行われています。

臨床試験や実験研究は、科学的な方法論に基づいて行われ、医療の進歩に寄与しています。

診断と予防: 医学は病気の原因を特定し、診断するために科学的な手法を使用します。

また、疾患の予防に関する研究も行われ、公衆衛生の向上に寄与しています。

アートの要素

臨床判断: 医学は単なる科学的データの集積ではありません。

医師は患者との対話や臨床的な洞察を通じて、診断や治療計画を策定します。

患者の病歴や症状の詳細な分析、個別の治療方針の選択、コミュニケーション能力は医学のアート的側面です。

人間性と倫理: 医師は患者の身体的健康だけでなく、精神的、社会的な側面も考慮する必要があります。

患者との信頼関係を築く能力、患者の価値観や意思決定を尊重する倫理観も医学のアート的側面に関連します。

複雑な症例への対応: 時に、患者の症状や診断が明確ではない場合があります。

医師はクリティカルシンキングと洞察力を駆使して、複雑な症例に対処する必要があります。

これは医学のアート的側面の一例です。

コミュニケーション: 医師は患者とのコミュニケーションにおいて、情報提供や感情の共有、治療計画の説明など、非常に重要な役割を果たします。

コミュニケーションは医学のアートとして、患者の信頼を築くために欠かせません。

医学は科学的な知識と技術の基盤を持ちながらも、患者の個別性や人間性を尊重し、医師の洞察力や臨床判断が重要な要素となります。

したがって、医学はサイエンスの厳密な手法と同様に、医師のアートなアプローチと倫理的な責任を結びつける特別な分野と言えます。

この組み合わせが、医学の継続的な進化と患者の最善のケアを支えています。

吸入指導の重要性について

世の中にサイエンスの塊といった、実臨床からかけ離れているような講演をよく聴講します。

当院としては患者さんに寄り添い、患者さんにとって優しい医療を行うためにサイエンスだけではなくアートも重要視しております。

非常に当たり前な事なのですが、それが出来ていないようなことも多くあるのが喘息における吸入指導と考えています。

使用機材

・カメラ: sony VLOGCAM ZV-1 II、sony ZV-1(カメラスライダー)、JVC Everio

・ミキサー :ヤマハ YAMAHA ライブストリーミングミキサー 3チャンネル AG03MK2 W

・スイッチャー:Roland ローランド/VR-1HD AVビデオミキサー

・マイク:RODE Microphones ロードマイクロフォンズ Wireless GO II、Blue Yeti

・電子ピアノ:ヤマハ YAMAHA 電子キーボード piaggero ホワイト NP-12WH

・パソコン:dynabook

・モニター:レグザ 75V型 4K液晶テレビ 75M550K

・配信方法:ZOOM

発表の機会を頂きましたグラクソ・スミスクライン株式会社の関係者皆さまに感謝申し上げます

これからも更なるアーティスティックな全国講演を熱望します。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。