喘息治療の専門クリニックからのメッセージ:アレルギーだけが原因ではない喘息について

アレルギーだけが原因ではない喘息について
喘息と聞くと、多くの方が「アレルギー反応によるもの」と考えがちです。
しかし、喘息の世界はそれだけではありません。実は、アレルギー検査で陰性の結果が出たとしても、喘息を患っている可能性は充分にあります。
この点について、深く掘り下げて解説していきたいと思います。
アレルギー性喘息と非アレルギー性喘息
アレルギー性喘息は、ハウスダストや花粉など、特定のアレルゲンによって引き起こされるタイプです。
この形の喘息は、特に小児に多く見られます。
一方で、非アレルギー性喘息は、アレルギーとは無関係に、冷たい空気、運動、ウイルス感染、薬剤反応、刺激臭、気圧の変化など、様々な要因で気道が炎症を起こし、喘息発作を引き起こします。
成人においては、このタイプの喘息がより一般的です。
アレルギー検査で陰性でも喘息の可能性
アレルギー検査で陰性の結果が出ても、安心してはいけません。
検査のタイミングや検査項目の限界、検査精度の問題により、アレルギー体質が見逃されることがあります。
また、アレルギー体質がない場合でも、気道の過敏性や遺伝的要因、肥満など、他の要因で喘息を発症する可能性があります。
アレルギー以外の喘息原因
非アレルギー性喘息の原因は多岐にわたりますが、共通しているのは、何らかの形で気道が刺激され、炎症を引き起こす点です。
気道の過敏性が高まっている状態や、遺伝的な要因、生活習慣の影響などが考えられます。
まとめ
喘息の背後には、アレルギーだけではなく、多様な原因が潜んでいます。
アレルギー検査で陰性だったからといって喘息ではないと断定することはできません。
咳や息切れ、胸の締め付け感などの症状がある場合は、専門の医師に相談し、適切な診断を受けることが重要です。
早期発見・早期治療により、喘息のコントロールがより効果的に行えるようになります。
投稿者プロフィール

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資格:医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)