チョコレートと咳の意外な関係とは?~腸・血糖・カカオ含有率から見えてくる健康のヒント~

こんにちは
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です
「チョコを食べると咳が出る気がする」
「逆に、チョコが咳に効くって聞いたけど本当?」
そんな疑問をお持ちの方へ──
今日は、チョコと咳の関係について、
さらに深掘りしてみたいと思います
ポイントは 含まれる成分(カカオの量やテオブロミン)
添加物の影響
腸内環境とのつながり
血糖スパイクの視点
チョコレートには咳をやわらげる力も
チョコレート(特にダークチョコ)には「テオブロミン」という成分が含まれています
これはカフェインに似た働きがあり、
気管支を広げる
咳中枢を鎮める
といった作用があり、一部の研究では咳止め効果が期待されると報告されています
特にカカオ70%以上のダークチョコは、テオブロミン含有量も多め。
喉がイガイガするときに、少量のダークチョコで「ホッとする」ことがあるのはこのためかもしれません
咳を悪化させるチョコもあります
「チョコ=すべて体に良い」わけではありません。
むしろ、ミルクチョコやホワイトチョコなど、カカオ含有量が低いものには注意が必要です。
それらは 砂糖たっぷり(血糖スパイクを起こしやすい)
乳製品や油脂が多く、喉に刺激を与える
カカオが少ないため、テオブロミンの効果も期待薄
そのため、かえって咳を悪化させてしまう方もいます
添加物と咳の関係にも注目
市販チョコレートには、乳化剤・光沢剤・着色料・香料など、多くの食品添加物が含まれています。
これらは体質によっては 喉の粘膜を刺激して咳を引き起こす
腸内環境を乱して免疫バランスを崩す
アレルギー症状や気道過敏性を悪化させる
ということもあるのです
特にお子さま、喘息傾向のある方、喉が弱い方は、無添加または添加物の少ないチョコを選ぶようにしましょう。
腸内環境が咳に関係するって本当?
実は最近、「腸と肺はつながっている(腸肺相関)」という考え方が注目されています

私は「腸と気管支はつながっている(腸気管支相関)」を初めて提唱しています
腸が乱れることで、 アレルギー体質が悪化したり
全身の免疫に影響が出たり
結果として、咳が出やすくなるケースがあるのです
とくに「甘すぎるチョコ」や「乳化剤たっぷり」のチョコは、腸内細菌バランスを崩しやすく、腸活の敵になることもあります。
血糖スパイクも咳と無関係じゃない!?
甘いチョコを空腹時にパクッと食べると、血糖値が急上昇します
これが「血糖スパイク」と呼ばれる現象です。
血糖スパイクが起こると 自律神経が乱れる
体内で炎症が起きやすくなる
免疫の暴走で喉の敏感さが増す
結果的に、ちょっとの刺激で咳が出やすくなることもあるんです
咳が気になるときの「賢いチョコの選び方」

カカオ含有量70%以上の“シンプルなチョコ”を選びましょう
原材料は「カカオマス・カカオバター・砂糖」のみが理想
添加物や香料が多い商品はできるだけ避けて
目安は「1日1~2粒」、温かいお茶や白湯と一緒にやさしくいただくのがポイントです
まとめ|チョコとの付き合い方で体が変わる
チョコは、正しく選べば味方になり、
選び方を間違えれば咳や体調悪化の原因になることもあります。
咳が続くときはダークチョコを少量
甘すぎるチョコは腸や血糖、免疫に負担をかける
添加物にも注意して、自分に合ったチョコを選ぼう
咳や喉の不調が続いている方は、
「もしかしてチョコが関係しているかも…」と思ったら、
ぜひ一度ご相談ください
あなたの体質や症状に合わせて、食事や生活習慣のアドバイスも行っています
「食べ方ひとつ」で、体は整い、咳も変わるかもしれません。
健康にやさしいチョコ習慣、今日から始めてみませんか?
- 山口裕礼
- 日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本喘息学会認定喘息専門医
日本内科学会認定内科医
日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士
内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー
漢方コーディネーター
日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士・腸内環境解析士
管理健康栄養インストラクター
日本温活協会認定温活士
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ
ローズソムリエ®(バラ資格)


投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
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