喘息治療と通院の重要性: 治まったからといって薬をやめてはいけない理由
![](https://yamaguchi.clinic/_wp2024/wp-content/uploads/2023/06/26553836_s-1.jpg)
喘息という病気は、我々と共に生活をするパートナー
はじめに、みなさんにお知らせしたいことがあります。
それは、「喘息が治まったからといって、通院をやめるべきではない」ということです。
多くの人が、症状が軽減したり消えたりしたときに、通院や薬の服用をやめてしまいがちですが、これは大きな誤解です。
薬を中止するとどうなる?
喘息は、長期間にわたって管理を必要とする慢性的な病気です。
一度症状が治まっても、それはあくまで一時的な安定期にすぎません。
ここで通院をやめてしまうと、次第に体調が悪化して再び症状が出ることがあります。
それは、通院と薬が喘息の症状をコントロールし、発作を防ぐ役割を果たしているからです。
通院と薬は、喘息の状態を維持するための非常に重要なツールです。
これを怠ると、喘息のコントロールが難しくなり、結果的に病状が悪化する可能性が高まります。
症状が出て薬を再開した場合
再燃した場合、症状が以前よりもひどくなることもあります。
これは、「喘息の悪化スパイラル」のような現象で、症状が悪化することでさらに病状が進行し、通院や治療が困難になる恐れがあります。
では、なぜ多くの患者さんがこの事実を認識していないのでしょうか?
通院が途絶える理由
それは、症状が消えた時点で「治った」と思い込むことが一因かもしれません。
しかし、喘息は「完治」する病気ではなく、「管理」する病気です。
症状が消えたときでも、それは薬や通院による病状管理が成功している証拠なのです。
したがって、喘息の症状が改善されたからといって通院をやめることは、喘息の状態をコントロールするための大切なツールを捨てるようなものです。
症状が無かったらどうするか
症状が良好なときこそ、その状態を維持するために、医師と定期的にコンタクトを取り、適切な治療を続けることが重要です。
喘息という病気は、我々と共に生活をするパートナーのようなものです。
一緒に生活するためには、適切な理解と管理が不可欠です。
私たち医療スタッフは、皆さんが喘息と上手に共存できるよう、全力でサポートします。
今日からでも遅くはありません。通院と薬を正しく理解し、喘息というパートナーと健康な生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。
投稿者プロフィール
![院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)](https://yamaguchi.clinic/_wp2024/wp-content/uploads/2024/12/incho-150x150.jpg)
最新の投稿
クリニックだより2025年1月19日日常生活の見直しは難しい? 〜自分らしい人生を歩むために〜
クリニックだより2025年1月19日薬の増減と患者さん自身の取り組み
クリニックだより2025年1月19日現代の喘息治療の流れ 〜吸入ステロイド・全身ステロイド・生物学的製剤〜
クリニックだより2025年1月19日吸入ステロイドの登場と喘息死亡率の変化