アトピー性皮膚炎とかゆみの悪化…実は「マラセチア」

お菓子が皮膚の炎症を助けてるかもしれません
こんにちは
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です
アトピー性皮膚炎で悩まれている方の中には、
「薬を塗っているのにかゆみが良くならない…」
「夏場や汗をかく時期に悪化する…」
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか?
その症状、もしかしたら「マラセチア」という皮膚のカビ(真菌)が関係しているかもしれません
マラセチアとは?
マラセチアは、誰の皮膚にも存在する常在菌のひとつです。
普段は無害ですが、汗や皮脂が増える時期や、皮膚バリアが弱っている状態では、増殖して炎症を引き起こすことがあります。
特に次のようなケースでは注意が必要です
顔や首に赤み・かゆみが出る
脂っぽい場所(Tゾーン、耳の後ろなど)に湿疹が出る
ステロイドを塗っても、かえって悪化するように感じる
これらの症状がある場合、「マラセチア皮膚炎」や「マラセチア増殖によるアトピー悪化」の可能性があります。
アトピーとカビの関係
アトピー性皮膚炎は「皮膚のバリア機能の低下」と「免疫の過敏な反応」が合わさって起こる病気です。
そのため、皮膚にある菌のバランスが崩れたり、マラセチアが増えすぎると、免疫がそれを敵とみなして炎症を起こすことがあります。
つまり、アトピー性皮膚炎の人は、カビ(真菌)にも反応しやすい体質になっていることがあるのです。
甘いものが皮膚のカビを応援する?
ここで意外かもしれませんが、甘いお菓子がマラセチアの増殖を助けている可能性もあります。
その理由は次の通りです
糖質の過剰摂取が腸内環境を乱す
→ 腸は免疫の中枢。腸内環境が乱れると、皮膚の炎症やアレルギー反応が強くなります。
糖分が皮脂分泌を増やす
→ 皮脂が増えるとマラセチアが好む環境に。顔・首など脂っぽい部位に湿疹が出やすくなります。
マラセチアは糖質や脂質が大好き
→ 食事内容が偏ることで、皮膚常在菌のバランスも崩れやすくなります。
こうした仕組みは、すべてが医学的に「証明された」わけではありませんが、皮膚科学や栄養学の分野でも注目されている視点です。
マラセチア対策+肌トラブル予防にできること
アトピー性皮膚炎をマラセチアが悪化させている場合、次のような対策が有効です
顔や首の洗いすぎに注意しつつ、やさしく清潔に
→ ゴシゴシ洗いは逆効果!ぬるま湯&低刺激の洗浄剤でやさしく洗いましょう。
皮膚科で抗真菌薬の外用を相談する
→ 通常のステロイドでは効きにくい場合、マラセチア用の外用薬が効果的なことがあります。
甘いお菓子やジュースを控える
→ 毎日の「ちょっとしたお菓子」が、実は皮膚環境に影響しているかも。無理のない範囲で見直してみましょう。
腸内環境を整える食事を意識する
→ 発酵食品(納豆・味噌・ぬか漬けなど)や食物繊維をしっかり摂ることも大切です。
まとめ:アトピー改善のカギは“甘い生活”の見直しかも?
マラセチアは目に見えない存在ですが、皮膚の炎症やかゆみに深く関わっていることがあります。
そしてその背景には、糖分のとりすぎや腸内環境の乱れが隠れている可能性も。
甘いものを完全にやめる必要はありませんが、
頻度を減らす
タイミングを考える(特に就寝前)
水分をしっかり摂る
など、ちょっとした工夫だけでも肌が落ち着くことがあります
「最近お菓子が増えてるな…」と思った方は、ぜひ一度見直してみてくださいね。
- 山口裕礼
- 日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本喘息学会認定喘息専門医
日本内科学会認定内科医
日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士
内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー
漢方コーディネーター
日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士・腸内環境解析士
管理健康栄養インストラクター
日本温活協会認定温活士
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ
ローズソムリエ®(バラ資格)


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