居心地よく、その日を生きよ 🌿〜朝日新聞・養老孟司さん × 高野利実医師 対談から〜「医療は人間の幸せのためにある」

医療の進歩は人を幸せにしてきたのか 💉✨

近代医療は目覚ましい発展を遂げ、がん治療や再生医療、先端的な検査機器の進歩により「命を延ばす」ことに大きな成果をあげてきました。
しかし、朝日新聞の対談で養老孟司さんと、がん研有明病院の腫瘍内科・高野利実医師は問いかけます。

👉 「果たして医療の進歩は、本当に人を幸せにしてきたのだろうか?」

高野医師はこう語ります。

現代医療は進歩し、人はその恩恵を受けている。だが同時に、医療への期待が膨らみすぎ、現状に満足できない人が増えてしまった。

つまり「もっと治せるはず」「もっと延命できるはず」と願い続ける社会は、かえって人々の不安を大きくしてしまっているのです。

子供の自殺 🧒💔

養老孟司さんが特に強調したのは、社会の深刻な現実である「子供の自殺」。

学校生活や社会のプレッシャーに押しつぶされ、未来に希望を見いだせず命を絶つ子供が後を絶ちません。

「勉強ができない」「社会に適応できない」という理由で自らを否定してしまう若者が増えている。

この事実は、医療の進歩だけでは決して解決できない問題を突きつけています。
むしろ「人が生きやすい社会」とは何かを見直さなければならないのです。

その日を生きよ 🌅

養老さんのメッセージはシンプルで力強いものでした。

👉 「死を思うからこそ、いま、このときを生きる」

未来の病気や死にとらわれるのではなく、“今日をどう生きるか” にこそ価値がある。
医療はその補助線にすぎず、人生そのものを決めるのは私たち自身の「生き方」なのです。

足るを知る:医療の不確実性を受け入れる智慧 🪞✨

高野医師が語ったのは、「医療の不確実性」です。

現代医学は進歩しましたが、それでも「病気を必ず治す」ことはできません。
がんの再発、予期せぬ合併症、そして避けられない死…。

養老孟司さんの言葉👉 「人は病気になって死ぬ。これを“人の自然”と呼んでいいのではないか」

だからこそ、足るを知る ことが必要です。

  • 医療に完璧を求めすぎない
  • 不確実性を受け入れる
  • できることとできないことを見極める

この「足るを知る」姿勢こそが、医療に振り回されず、自分らしく生きるための知恵なのです。

居心地がよい状態を探せ 🪑☕

一方で養老さんは、「居心地」という視点を提示します。

👉 「自分が居心地のよい状態を探せ」

それは必ずしも家や病院という「場所」ではなく、自分の心が落ち着く状態のこと。

  • 人によっては家庭で過ごすこと
  • 病院で安心して療養すること
  • 自分が納得できる生き方を選ぶこと

大切なのは、「自分の居場所はここだ」と感じられる状態を見つけることです。
居心地の良さを探すことこそ、人が最期まで生きる力を支えるものなのです。

エビデンスだけでは計り知れない 📊❌

高野医師いわく、現代医療は「EBM(Evidence-Based Medicine=科学的根拠に基づく医療)」を重視します。
もちろん必要な指標ですが、それだけでは人の幸せは測れません。

なぜなら、患者一人ひとりの人生、価値観、心の居心地は数字では計れないからです。
👉 「エビデンスだけでなく、人間そのものを見なければならない」
この視点がいま求められています。

人間に基づく医療 👩‍⚕️🤝👨‍⚕️

高野医師が提唱するのは HBM(Human-Based Medicine)=人間に基づく医療

これは「統計データに従う医療」ではなく、

  • 患者さんの思い
  • 家族の価値観
  • 本人が感じる居心地

これらを大切にする医療です。
医療は「病気を治す技術」であると同時に「人を支える営み」であることを忘れてはいけません。

医療は人間の幸せのためにある 🌍💖

最後に両氏の対談が導いた答えは明快です。

👉 「医療は人間の幸せのためにある」

延命のためだけではなく、
「どう生きるか」「どう心地よく過ごすか」を支えることこそ、
医療の本当の役割なのです。

まとめ 🌱

  • 医療の進歩=必ずしも人の幸せではない
  • 子供の自殺という現実は、社会全体の課題
  • 死を思うからこそ「その日を生きよ」
  • 医療の不確実性を受け入れる「足るを知る」
  • 自分の居心地がよい状態を探すことが人生の鍵
  • エビデンスだけでなく「人間」を基準にする医療を
  • 医療は「人間の幸せのためにある」

✨「からだ整えラボ」としての結論✨

医療の進歩や科学の成果を否定するのではありません。
しかし、その先にある「人間らしい生き方」「居心地のよさ」を忘れないこと。
それが、本当に人を幸せにする医療であり、人生そのものを支える力になるのです。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
からだ整えラボ
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)