クリニックだより 内科

フルティフォームが大変だからとレルベアに変更 - 当院の吸入指導の具体的なイメージ 

内科

80歳代の女性(仮) 通院中のぜんそく患者さん


当院で吸入器の使い方をどのようの教えているかご説明します。

患者さんによって様々なパターンがありますが、その中の一つです。

● 決してまれなことではなく、よくあるパターンの典型のまとめです

どのような感じかイメージを持っていただければと思います。

● 咳が長引いて他院より紹介ありました

当院にて話しをお聞きし、診察をして検査をしました。

● 咳の原因はぜんそくのためでした

ご高齢でもあり、患者さんは吸う力が少ないと考え、治療薬は霧状の薬が出る、

● フルティフォーム

を処方しました。

● 院内にて吸入は上手にできるようお教えさえて頂きました

次に来院して頂いたときには、咳は良くなっており、今後は

「吸入を続けていきましょうね」

とお話しましたが、咳もよくなり通院が途切れてしまいました。

● その後、咳が出てきたので再び受診されました

診察にて、ぜんそくの咳がまた出てきたようです。

患者さんの吸入する回数の負担を減らすため

● レルベア

を処方しました。

● スタッフと一緒に座って吸入方法を習ってみましょう

吸入器レルベアでの吸入方法の確認

・きちんと吸えると「プー」と音がなるトレーナーと呼ばれる模擬の吸入器を使用します。

・最初のトレーナー吸入では音は全く鳴りませんでした

・やはり吸入の力が少し弱いようです

・大きく吸うことが出来ておりません


患者さんの気持ちに寄りそうと

・フルティフォームは使いにくく、毎回振るのも、1日何回も吸うのも大変!

レルベア変更にあたり、「パウダーの製剤です」とお話すると・・・

・花粉も含めアレルギーがたくさんあるのに大丈夫なの?

パウダーに対して抵抗感を示していました。


患者の思いに対してしたこと

・「パウダーでも大丈夫ですよ、花粉とは何の関係もありません」と説明しました

・レルベアは1日1回なのでそれほど面倒ではないですよと安心してもらいました

・「強く吸ってください」とお話しました

 レルベアのトレーナーが「プ!」と短い音が鳴りました

・短すぎるので、「大きく息を吐いてその息を全部吸うようにしっかり大きく吸ってください」と声をかけました。

 「プー!」としっかり音が鳴りました

・レルベアは使用できるとの判断で最終的に処方が決定しました

その結果

患者さんから、

● 1日1回なら楽でいいわ!

と言ってもらえた。

~次に来院して頂いたときは、、咳も楽になったと言っていただきました~

以上が、当院で行っている患者さんへの吸入の説明方法です。

世間一般的には

● 使用方法の説明のみ

になりがちです。

当院においては

● 患者さん個人にあわせて、数多くある吸入器の中で最も使用しやすい吸入器を選択します

● オーダーメイドのような感じで吸入器を選びます

● 薬(吸入器)に患者さんを合わせるのではなく、

● 患者さんに薬(吸入器)を合わせていきます