クリニックだより 内科

第54回 西横浜喘息・COPD懇話会

内科

天ぷら近藤の近藤さんの話を聞いて、 喘息診療に心に響いた言葉

昨日、「第54回 西横浜喘息・COPD懇話会」にて、オープニングリマークスを無事に終えることができました。

この場をお借りして、講演の内容を振り返りながら、ブログに記載いたします。

オープニングリマークスの振り返り

まず、皆さまにご参加いただきありがとうございました。

今回の講演では、著名な料理人の教えを元に、喘息診療に対する新たな視点を提供することを目指しました。

私は以前に巨匠である天ぷら近藤の近藤文夫さんの話を聞いて、 喘息診療に心に響いた言葉があります。

それを多くの先生方に知っていただきたいと思いました。

以下に、私のオープニングリマークスの要点をまとめました。

1. 巨匠の教えと喘息診療の関連性

個別の指導
近藤文夫さんは、弟子の一人一人の特性に応じた指導の重要性を強調しました。

これは喘息治療においても同様で、患者さんそれぞれの症状や生活環境に応じた個別の治療計画が必要です。

個々の患者さんに対して最適な治療を提供するためには、その人自身をよく理解し、対応することが不可欠です。

素材を理解し生かすこと
近藤さんが天ぷらを作る際に最も重視しているのは、素材の特性を理解し、その特性を最大限に引き出すことです。

この哲学は、医療においても同じです。患者さんの体質や症状を深く理解し、それに応じた治療を提供することが、効果的な治療への道です。

心を込めて揚げる
また、近藤さんは「心を込めて揚げる」という姿勢を大切にしています。

私たち医療従事者も、同様に心を込めて患者さんの治療を行うことが重要です。

これは、患者さんに対する真摯な姿勢と、治療への深いコミットメントを示します。

1+1=2を教えることではない

さらに、近藤さんは弟子に「1+1=2を教えることではない」と述べました。

これは、単なる知識の伝達ではなく、その本質を理解し、それを応用する力を養うことが重要だという意味です。

医療においても、単なる治療の指示を超えて、患者さんと共に治療の本質を理解し、それを生活にどう応用するかを考えることが求められます。

2. 各講演への自然な繋がり

喘息吸入薬とその進化
近藤さんの「素材を理解し生かす」という哲学を基に、吸入薬の成分やデバイスの特性を深く理解し、それを最大限に活かして患者さんに最適な治療を提供することが、喘息吸入薬の進化を支えています。

講演では、吸入薬の形状や投与方法の進化が、患者さんのニーズにどのように応じてきたかを学びました。

難治性喘息に対する治療戦略
次に、「難治性喘息に対する治療戦略」について考えました。

近藤さんの「個別の指導」という教えを、難治性喘息の治療に応用すると、患者さん一人一人の特性に応じた個別の戦略を構築し、冷静で共感的な対応を行うことが重要であると学びました。

また、創造力と応用力を養うことの重要性も強調されました。

まとめ

近藤文夫さんの教えから学んだことは、喘息診療においても非常に重要な視点を提供してくれました。

患者さんの特性を理解し、心を込めて最適な治療を提供することが、私たちの目指す医療の姿です。

今後も、患者さん一人一人に合ったケアを心掛け、最新の治療法や戦略を取り入れながら、より良い医療を提供していきたいと思います。

今回の講演で学んだ内容を、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの診療に役立ててまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。