クリニックだより 内科

ぜんそくや気管支炎の治療で用いる吸入器エリプタの種類について

内科

見本品が新たにできました

● ぜんそく

● 肺気腫

● 慢性気管支炎

● 慢性閉塞性肺疾患(COPD)

の呼吸器の病気では主に

● 吸入薬

が処方されます。

飲み薬と違い、気管支へ直接的に薬が届くため

● 少ない薬の量で効果を発揮します

多くの吸入薬がありますが、その中で4種類(4兄弟)の吸入薬があります。

● レルベア エリプタ

● アニュティ
 エリプタ

● アノーロ エリプタ

● エンクラッセ エリプタ

があります。

● エリプタとは薬ではなく吸入器自体の名称です

4兄弟は色違いで中身も異なります。

患者さんに説明するときに

● 実際の色つきの見本をお見せして説明したほうが分かりやすいです

もともと見本品はありませんでした。

作っていただくよう要望しましたが、見本品を本物と間違えてしまう可能性があるため、実現はしませんでした。

しかし、その他にも要望があったのでしょう。

● 70%サイズにして見本品を作成していただきました

どの吸入薬がどの薬が入っているかは下記の表にまとめてあります。

● ICS - 吸入ステロイド

● LABA - 長時間作用型β2刺激薬

● LAMA - 抗コリン薬

二つ一緒に使用する患者さんも多くなってきています。

組み合わせは何通りかはあります。

そこで問題となるのが、

● どっちがどっち?と薬の使用方法を間違える

可能性があります。

例えば

● 色がわかりづらい場合

日本人男性の5パーセント(約20人に1人の割合)、赤色・緑色を見分ける細胞に異常があるといわれています。

決して、まれなことではありません。

このタイプの見え方では、赤と緑、赤と黒といった色の区別が難しくなります。

● 目が不自由

程度の差はありますが、目が不自由な患者さんはおられます。

● 4兄弟いるエリプタこそユニバーサルデザインが必要だと思います。

ユニバーサルデザイン(Universal Design、UD)とは、

● 文化・言語・国籍の違い

● 老若男女といった差異

● 障害・能力

の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)のこと。

例えば、

● 持った時の上下が分かる突起

● 4種類の違いを出すために溝の数や突起の数を変える

これからの社会はこのような配慮も必要となってきます。

メーカーには伝えてあります。

また吸えたか、吸えていないかの判断は実際の薬においても技術上、吸えたら音を鳴らすこともできます。

以前にメーカーに問い合わせたら

● 毎回音が出ると恥ずかしいと思われる

● 寝ている家族を起こしてしまう心配等感じられる

などの意見も頂きました。

しかし、上手く吸えずに薬の効果が発揮されていない多くの患者さんをみると、

● デメリットを大きく上回るメリットがある

と思いますが、、、


~患者さんはグッドデザインよりユニバーサルデザインを望んでいます!~