ひとりひとり顔が違うように一人一人教え方が異なります
ぜんそく、慢性気管支炎などが吸入器を使用する代表的な病気です。
吸入器は安全で効果が良い最も適した治療方法です。
しかし欠点が一つあります。
● 薬を吸入できなければ全く効果がありません
さて、吸入の仕方を何回ならえば、吸入をきちんと出来るようになるのでしょうか。
学会や論文、講演会などでは
● 初回は重要だ
● 初回はもちろんの事、2回目も重要だ
● いやいや、3回目も必要だ
● 次は半年後だ
と議論になります。
結論は
● 安定して吸入できるまで何回も必要で、決められた回数はありません
吸入方法をお教えるということは
● 処方した自身の施設内で使い方をお教えること
● トレーナーを用いること
● 患者さん自身がトレーナーを使用する事(毎回使用します)
● 患者さんが吸えていないと判断したならばその場で医師に報告できること
● お教えした内容が記載されていること
● 問題点があれば次に申し送りできること ▶ 次回も吸入方法を確認します
上記は当院で行っていることですが、吸入方法の信頼性が上がります。
当院で吸入方法をお教えしていることで、感じたことをお伝えできればと思います。
吸入の確認が何回でも必要で、決められた回数がない理由は
患者さん一人ひとり、顔が違うように異なるからです
重症度
重症度が高いほど吸入は難しくなります。
調子が悪い初診時は、特に吸うことが難しくなります。
発作時のように、気道が敏感になっているほど吸入でむせ込みやすいです。
調子が良くなってくると、吸入がもう少し容易になってきます。
年齢
お年を召された患者さんは吸えるようになるまで時間がかかります。
実際に吸えるようになってからでも、2か月たつと吸う力が弱くなっています。
屈強そうな若い男性患者さんでも初回は、お教えしないと吸えません。
若い患者さんは一度覚えれば、その後は安定して吸える傾向にあります。
一見して弱々しい女性は吸入する力が弱めです。
性格
気短の方では息止めが短くなる傾向です。
気短の方では連続の吸入が早くなりがちです。
まじめな方は丁寧に吸入をされます。
人から教わること自体がお好きではない方もおられます。
器用、不器用
吸入器は器具ですので取り扱い方が必要です。
中には器具の開け閉めなども分かりづらい方もおられます。
理解度
認知症の患者さんもおられます。
若い方でも、なかなか理解できない場合もあります。
吸入する回数
1日2回、1日1回
1回1吸入 1回2吸入 1回3吸入 1回4吸入
様々な組み合わせがあります。
吸入器は様々あります
大きく深く勢いをつけて吸うこと。
大きくゆっくり、深く吸う。
薬のセットは吸入器によって異なります。
種類によって吸い方が異なります。
安定して吸入をできるまで何回も確認が必要で、決められた回数はありません
一人ひとり異なる個人です
● 個人に合わせてお教えします
● 個人によって吸入をお教える回数が変わります
● 1回で良い場合もあります
● 毎回(2~4週毎)お教えする場合もあります
● 吸入確認をしている場では、日常生活の工夫など様々な悩み相談となることもあります
● 完璧を求める必要はありません
● 調子が悪い時だけ通院していた場合(本来間違い)、半年以上開けば多くの方は使用方法を忘れます
職員一人一人がご利用の患者さんの立場にたって
「心のこもった、きめの細かい気配り」
を提供できるように日々努力しています。
「患者さんの笑顔が私たちの幸せです」
下の内容は当院で行っている吸入方法の説明方法です。
ご覧頂ければ雰囲気が分かると思います。
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
最新の投稿
- クリニックだより2024年11月22日モルモットと牧草(チモシー)アレルギーについて
- 内科2024年11月22日加熱式たばことCOPDの関係:本当に影響は少ないのか?
- クリニックだより2024年11月22日働きながら親の認知症介護を乗り切るために
- クリニックだより2024年11月22日通院中の患者さんと産業医の役割について