クリニックだより 内科

喘息(ぜんそく)の治し方と薬の減らし方

内科

調子が良いからといって、すぐに薬は減らしません

喘息は完治ではなく、収まる(寛解)という言葉をつかいます

これで分かる、喘息(ぜんそく)はいつ治る?

そのため薬は慎重に減らす必要があります。

ぜんそくの調子が良いとは下に書いてあることが全て当てはまることを言います

● 夜間や朝方の咳や痰がらみが1週間以上ない

● 発作時のメプチンやサルタノールを1週間以上使っていない

● 走ったり坂道や階段で咳き込んだり、胸が苦しくならない

● 朝から晩まで調子が悪いことがない

● 胸がぜーぜーしたり苦しくなることが年間を通して一度もない



ぜんそくの調子(コントロール)が良好の場合は選択肢が二つあります。

● 現在の治療をそのまま続けること

● 良好な状態が3〜6ヶ月持続していれば薬を減らす事を>考慮する

どちらが良いかは患者さんによって異なります。

すなわち、調子が良いからと言って無理して減らす必要は全くない

ということです。

違いはありますが、感覚的には

● 血圧のコントロールが良好だから薬を減らしましょう

といういことが無いと一緒です。

● 血圧が良いから今のまま薬を続けましょう

● ぜんそくの調子が良いから今のまま薬を続けましょう

と一緒です。

現状維持で薬を続けるか減らすかは

● 薬とアレルギー状態のパワーバランス(力関係)によります

下の記事も合わせてお読みください。

ぜんそくスケール



現在のパワーバランスがどこら辺りにあるのか見極めが重要です

● アレルギーの体質はどの程度か

● イヌやネコ、ウサギなど毛の生えているペットはいるのか

● 仕事でほこりなどの暴露はあるか

● 過去にどの程度の発作があったのか

● 通年性のアレルゲンはあるか(ハウスダスト、ダニなど)

● ぜんそくを悪くさせるカビのアレルギーはあるか

● 現在の呼吸の機能はどの程度か

● たばこは吸ったことがあるか

● 喘息以外の病気はあるか

● 薬の副作用はあるか

・・・

様々な背景を考えなくてはなりません。

それを考えたうえで薬を減らすことを考えます。

● 減らしすぎるとぜんそくの症状が悪くなる可能性があります


では、減らすことを考えても良い、ぜんそくが良好な状態とは

● 夜間や朝方の咳や痰がらみが1週間以上ない

● 発作時のメプチンやサルタノールを1週間以上使っていない

● 走ったり坂道や階段で咳き込んだり、胸が苦しくならない

● 朝から晩まで調子が悪いことがない

● 胸がぜーぜーしたり苦しくなることが年間を通して一度もない

3〜6ヶ月間、上記の状態でなければ、無理して薬を減らすことはしません。

患者さんに

「調子が良いですか?」 とお話をすれば 「調子は良いです」 

と回答があります。

調子が「良い、良くない」は患者さんによって感覚が異なりますので、注意が必要です。

呼吸の機能が良いこと に関しては

呼吸機能検査が多く用いられますが、当院においてはさらに、

● 呼気一酸化窒素検査; ぜんそくの状態が悪くなると上昇する患者さんがおります

● 総合呼吸抵抗測定装置 モストグラフ

も用いて総合的に判断をします。

また

● 吸入方法が自己流になっていないか練習器を用いて確認します

調子が良く、減らすか減らさないか迷うようであれば、副作用がない限り無理して減らす必要はありません

本日も、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックをご利用いただきありがとうございます

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。